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DIC、資生堂との共同研究成果を第18回日本感性工学会春季大会で発表

2023.09.12

-スキンケア化粧品の容器開発における触感に着目した感性工学的アプローチを研究-

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野 薫、以下「DIC」)は、株式会社資生堂(本社:東京都中央区、代表取締役 会長 CEO 魚谷 雅彦、以下「資生堂」)と「化粧品容器の表面物理特性が容器触感印象に及ぼす影響」に関する共同研究成果を第18回日本感性工学会春季大会で発表*¹したことをお知らせします。本研究成果により、化粧体験の魅力的価値向上のアプローチの一つとして、容器の触感印象を感性デザイン*²できる可能性を示しました。

DICでは、時代の変化を見据えた新しい素材開発を創出するため、2013年から素材の触覚にかかわる物理特性の把握とそれに紐づく感性の数値化、感性ニーズを発現させる素材開発研究を重ねており、感性製品・サービスに着目する事業開発を推進しています。

本研究では、スキンケア化粧品の中でも化粧水容器の表面の物理特性に着目し、容器の物理特性を適切に制御して容器の触感印象を最適化することで、製品のコンセプトをユーザーにより鮮明に感じてもらうことを目指しました。そして、化粧水容器を使用する動作において容器表面の触覚的な物理特性が触感印象に及ぼす影響を調べた結果、表面のミクロな凹凸形状の違いにより実現された容器表面の表面粗さ、摩擦係数などの物理特性の違いと、化粧水容器を使用する際の把持や開閉という動作における「べたべた」「さらさら」などの様々な容器の触感印象との関係を感性工学的アプローチから明らかにしました。

化粧品容器は中身の保護だけでなくユーザビリティやデザイン性も重視されており、これらの品質を向上させることが製品の魅力的価値の向上にもつながります。昨今では容器の視覚的デザイン性を高める取り組みだけでなく、触覚デザインも着目されており、容器の触感的印象を適切にデザインすることも製品の継続使用を促すための魅力的価値向上において重要と考えられています。この考え方は日用品など他の製品分野においても応用展開できます。

DICグループは、「彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものに – Color & Comfort –」という経営ビジョンのもと、日本が強みとする細やかな「感性」を尊重した高品質なモノづくり国際競争力向上の実現に貢献していきます。

*¹ 本発表にて、主発表者である株式会社資生堂みらい開発研究所の坂口歳斗(さかぐち さいと)氏が優秀賞を受賞。本賞は、研究の今後に期待できる若手研究者を表彰する賞で、研究発表要旨の書き方、研究の目標設定、発表方法や質疑が優れている点が評価されたもの。

*² 製品が目指す感性(印象、コンセプト)をユーザーに与えるために、触感にかかわる物理特性を適切に制御すること。今回の研究では、容器表面のミクロな表面形状や摩擦を制御した。

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